道違えた罪人は、神が裁く。
「――君は、間違えるな」
目の前の男と目を合わせる事無く、来ヶ谷はそう言った。ぞっとする程の冷たい笑みを湛えた男が、腕を組んで赤瞳を眇める。
「お前にそんな事を言われるとはな」
「…ふふ、違いない。私にはこんな事を言う資格など無いな。さしずめ、”神に反旗を翻した大罪人”という所か」
自嘲気味に笑った来ヶ谷は、やはり男と顔を合わせないまま、やがて静かに呟いた。
「君は間違えるな、恭介氏。この世界は容易く、そして脆弱だ」
「―――」
来ヶ谷の言葉に、だが恭介の表情が揺らぐ事はない。凍てつく視線が来ヶ谷を貫く。
「それはつまり、お前はこのまま違えた道を戻す気はない…って事か?」
「そう取って貰っても結構だ」
「…一応言っとくが、これは最後通告だぜ?今お前が止める気なら、見逃してやらなくもないが……どうする」
「今更私相手に演技などよせ、恭介氏。君は不穏分子を決して許しはしないよ。特に、――こんな危うい世界ではな」
「そうか。なら交渉決裂だな」
あっさりと言って、恭介は来ヶ谷に背を向けた。
最初から交渉などする気も無かったろうと、来ヶ谷は小さく笑う。男は振り返る事もなくその場を去り、独り取り残された来ヶ谷は、これから己に下される制裁はどんな物かと思いを馳せる。
神たる男の無情な赤瞳が脳裏を過り、そのあまりの冷酷さに身震いした。
永遠を望んだ――その罪深さに相応しい罰だろう。
それでも尚、胸の内を焼く仄暗い情動が消える事はない。
罪人とは、斯くも愚かしく、怖ろしい。
道徳も理念も倫理も、全て冒してもいいとすら思う、その途方も無い己の闇に、来ヶ谷は黙って目を伏せる。
そうして彼女は、己と最も近しい所にいるかもしれない男へ向けて、もう一度だけ呟いた。
「君は――間違えるな…恭介氏」
道違えた罪人は、神が裁く。
されど――道違えたのが、神ならば………。
*
下校のチャイムが、校内に鳴り響く。
窓から差し込む夕日をぼんやり眺めていた理樹は、はっと我に返って辺りを見回した。
もう誰もいない。
しまった何時の間にそんな時間にと、慌てて鞄を持って席を立つ。
別段ナルコレプシーの発作で眠ってしまった記憶もない。何より、あれはもう治ったはずなのだから、今更そんな訳もないだろう。
ぼうっとしている内に時間が経ってしまったのか。
だが、いつからそんなにぼんやりしていたのだろうと思い返してみても、その記憶すら曖昧ではっきりしない。
――最近、ちょっとぼけっとしすぎだなぁ…。
そんな事を思いながら玄関で上履きを履き替える。無防備なその背後へと、人影が忍び寄り――。
「――こらっ理樹!」
「うわっ!?」
ペシンと理樹の頭の上にノートが降ってくる。振り向いた理樹の前には、呆れ顔の恭介が立っていた。
「あれ、恭介…何で…?」
「ったく。教室で待っとけって言ったろ」
「え…そうだっけ…?」
「何だ、最近ボケスキルも身につけたのか?」
「違うよっ。…ごめん、最近なんだかぼんやりしてる事多いみたいでさ…」
そう言えば約束してたかも、と謝る理樹の顔を、恭介が不意に心配そうに覗きこむ。
「…大丈夫か、理樹」
「ん。平気平気」
「そっか?ならいいけどな…。最近はこの辺りも物騒だからな。お前只でさえ狙われやすそうな顔してるんだから、気を付けろよ?」
「うん…って何さその狙われやすそうな顔って!」
不満げな理樹の言葉を、恭介は笑ってかわす。二人で一緒に外へ出た所で、恭介が理樹の前に手を差し出した。
その手を見るや、理樹は些か困ったような顔になる。
「や、あのさ恭介…」
「ほら、どうした理樹」
「いや…だってさ、また?」
「何だよ、文句言うなって。最近物騒なのは知ってるだろ?手ぇ離して何かあったらどうするんだよ」
「いやいや、たかが寮までだしね?そんな距離で物騒も何もないよ」
「いーや、ある!だから手を離すのは駄目」
澄ました顔で断言し、恭介はいつもの如く理樹の手を握った。理樹は少しばかり恥ずかしそうにしたものの、それ以上の抵抗は見せず、されるがまま手を引かれていく。
「なぁ理樹。――懐かしいな」
「何が?」
「昔は、よくこうやって二人で歩いたろ」
「…うん。そうだね」
無意識に握り合う手に力が籠る。お互いそれに気づいて、思わず見合わせた顔に、気恥しさと心地よい安心感が満ちる。
恭介は、理樹の手を引いて歩きながら、嬉しそうに笑う。それに釣られて笑顔になった理樹は、そのまま昔話をしようと口を開いた。
「昔から、恭介はいっつも僕の手を引っ張って行ってくれてたよね。リトルバスターズだなんて言って…」
その時の事を思い出して、理樹は幸せそうに頬を緩ませる。それからふと、不思議そうに呟いた。
「でも、何でリトスバスターズって複数形だったの?…恭介一人だったのに」
「――ああ。そういえば、何でだったかな…」
何となく格好良かったからじゃないか?と恭介が言えば、理樹は恭介らしいねと納得した。
納得してしまってから、だが何か違和感を感じて、理樹は眉を顰める。
――恭介一人…だったっけ…?
自分を救いだしてくれたのは、助けだしてくれたのは、陽の下に連れ出してくれたのは――この大きな手だけだった、はず…。
本当に…?
「理樹」
「っ」
不意に訪れた不安を、恭介の声が攫って行く。顔を上げた理樹の瞳に、優しい笑みが映る。
どんな不安も全て拭い去って、心地よく安息を与えてくれる――絶対的な、庇護の存在。
「――大丈夫だ、理樹。安心していい。…もう二度と、この手は離さないから」
「…うん…」
その意味をしかとは理解できぬまま、理樹は茫漠と頷く。
大丈夫。恭介がそう言うならきっと。大丈夫……なにが?ああまたぼんやりと気持ちも記憶も曖昧になっていく。
その時不意に、まるで目を覚まさせるように、軽快な音楽が鳴り響いた。
驚いて辺りを見回し、それが携帯の鳴る音だと気付く。理樹の物ではない。音源は間近な、恭介のポケットからだった。
携帯を取り出す素振りのない恭介に、理樹は首を傾げた。
「携帯鳴ってるよ?恭介」
「―――」
「恭介…?」
窺い見たそこに思いの外険しい表情を発見し、少しだけ息をのむ。
「どうしたのさ恭介…。携帯鳴ってるってば」
「――ああ。分かってる」
頷いて、恭介は漸くとポケットから携帯を取り出した。開いた途端、音は鳴りやむ。直後に今度はメールの着信音が流れる。
電話をかけてきたのと同一人物からの物だろうかと推測しながら、理樹は恭介の所作を見守る事にする。
やがて、険しい表情のまま携帯をしまった恭介が、深刻な様子で理樹を見た。
「――悪ぃ、理樹。ちょっと用が出来た。先に寮に戻っててくれ」
「どうかしたの?」
「ちょっとな」
その返答に、どうやら理由は詮索すべきではないと判断し、理樹は即座に頷く。
「そっか。じゃあ先に行ってるね」
「ちゃんと真っ直ぐ寮に戻れよ?寄り道とか駄目だぞ」
「うん」
「それから、――校門からは出るな。絶対に」
「もう、心配症だなぁ…」
「理樹」
「はいはい分かってるよ。最近物騒だからだろ?耳にタコが出来るほど聞いてるから。大丈夫、学校から出る時は恭介と一緒に、だもんね。分かってるよ」
どこか諦めたように言って、理樹は苦笑する。
「僕の事はいいから、用事があるなら行って来なよ」
恭介から手を離し、行ってらっしゃいと振ってみせた。
険しい表情の恭介と別れて、一人寮へ向かいながら、それほど心配する事はないのにと理樹は少しばかり呆れる。
昔から過保護な所はあったが、最近は頓に強いような気がする。
その時だった。
”理樹君”
「……?」
誰かに呼ばれたような気がして、理樹は足を止めた。
校門の方へ目を向ける。
――あっち、からだったような…?
少し迷ってから、理樹は校門へと向かう。
『校門からは出るな。絶対に』とそう言われていた事を思い出しながら、出なければいいのだろうと、近付く。
外へ出掛ける時は、必ず恭介と一緒でなければならない。そこまでされると、最早過保護と言うより束縛のような気もしたが、恭介の心配そうな顔を思えば、言う事を聞かざるを得ない。
きっと、それほど物騒という事なのだろう。――けれど、そう言えば何がそんなに物騒なのだろうか?
――通り魔でも出たっけ…?
そんな話を聞いたような、聞いていないような。
ああそうか、いつも恭介が教えてくれるから。
『何だ、知らないのか?最近な――』
最近…そう、最近…なんだっけ?
埒もなく思考を飛ばしながら、理樹は校門の前で立ち止まる。
しばらくそこで学校の外の風景を眺めてから、やはり気のせいだったかと、理樹は踵を返そうとした。
”理樹君…”
かすかな、本当にかすかな声音。
理樹は辺りを見回す。
「誰か…呼んだ…?」
そんな訳もないと思いながら呟く。途端に、風が吹いた。一瞬の突風に、理樹は思わず目をつぶる。
そして目を開いた時、そこに――理樹の知らない、一人の少女がいた。
赤い夕陽の中、校門の外に佇む一人の少女。
長い黒髪と、黄色いリボン。
どこかで見たような、見ていないような。
「理樹君っ…!」
「え…」
はっきりと名前を呼ばれて、理樹は戸惑う様に少女を見返す。どこかで会っただろうか?
「あの、君は…?」
「どうした…私が分からないのか、少年」
「…?」
話しかけてくる彼女に、理樹は首を傾げる。この学校の生徒のようだが、理樹にとっては記憶にない相手だ。
「ええと…誰…?」
「――恭介氏の仕業か…。理樹君、頼む。こちらへ来てくれ」
「そっちに…?でも、恭介が…」
「私はそちらへは行けない。だから頼む、早くここへ…!」
焦燥の滲む声。
やつれて、悲壮な、哀しい顔。まるで泣きそうな。
助けて欲しそうに見えた。
その瞬間――助けなければと思った。
どうしてかは分からない。いつも守られてばかりだった自分のどこにそんな強い感情があったのか。
けれど、助けなければ。
「理樹君っ…!」
「――分かったよ。今行くから」
理樹は迷わず足を踏み出す。
決して一人で出るなと言われていた、その一線を容易く越える。
その瞬間。
音を立てて、世界に闇が降りた。
「っ!?」
ぎくりと理樹は立ち止まる。
闇だ。さっきまで辺りを赤く染めていた夕陽もなく、さりとて夜の星もなく、ただ静謐な闇がそこにあった。
「なっ」
ガラリ、と足元で音がする。見下ろした地面に、ぱっくりと深淵が口を開けている。
少女は闇の遥か向こうにいた。何かを叫んでいる。
身を竦ませている理樹の背後から、腕が伸びてくる。
そして、
「――こらっ理樹!」
「…ひっ…!?」
悲鳴を上げた理樹の身体を、恭介が後ろから抱き締めた。
「駄目じゃないか理樹。一人で外に出たりしたら」
約束しただろう?と諭す恭介に、理樹は縋りつく。
「きょっ恭介っ…!こ、これっ…何がっ…!」
「だから言っただろ。最近物騒だから気を付けろ、ってな」
「そ、そんな事じゃっ…!」
「最近物騒なんだ。――人攫いが、お前を探してる」
そう言った恭介の視線が、一瞬だけ闇の向こうの少女へ向けられた。
「ひとさらい…?だ、だけどそれより…!」
「――ああ、世界が壊れかけてる事か。だけど大丈夫だ」
「世界が…こわれ、てる…?」
「大丈夫だ」
困惑する理樹の頬を、恭介は優しく撫でた。そして、理樹の瞳をそっと片手で覆い隠した。
「大丈夫だから――安心していい。お前は何も見るな。何も聞くな。何も…考えなくていい」
「きょう…」
「きっとナルコレプシーの発作が再発したんだ。それで、お前は夢を見た。――夢だ、理樹」
「ゆ、め」
「そうだ、夢だ。お前は眠ってる。――俺の腕の中で、安心して眠ってる」
「ねむ…って…」
「そうだ――いい子だ、理樹」
ゆっくり眠れ――そう言った恭介の腕の中で、まるで暗示に掛かるように理樹の身体から力が抜け、崩れ落ちた。
ぐったりと意識のない細い身体を抱き上げ、恭介は闇の向こうを見遣る。
久しい友人は、悲壮な表情をしていた。
「よぉ、久しぶりだな来ヶ谷」
「っ…!」
至って平然と話しかけた恭介に、来ヶ谷は一瞬顔を歪める。
「恭介氏…君は…」
「――ゆっくり話でも、と言いたいトコだが、見ての通り現在取り込み中だ。悪いが、また出直してくれ」
まるで、部屋に遊びに来た友人に対するようなその態度に、来ヶ谷はきつく眉を寄せ――耐えきれず拳を握り締めた。
震える唇を動かし、悲痛な程の声で叫ぶ。
「君は……君は間違ってる…っ!」
「――お前にそんな事を言われるとはな」
いつかの遣り取りのように、恭介が酷薄な笑みを口端に上らせる。
「俺は間違ってる、か?」
「ああ間違っている!頼むから…今すぐ理樹君を放してやってくれ!」
「――今さっき屋上で、鈴と小毬に会った」
「!」
「同じ事を言ってたな。俺は間違ってるんだそうだ。理樹を放してやれ、だとさ」
「――それで、君は…?」
来ヶ谷に投げ掛けに、恭介は冷徹な表情を崩さぬまま、応えた。
「――さっさと帰れ、って言ってやったさ」
「それは……君は、違えた道を戻す気はないという事か…?」
「ああ。――そう取って貰って結構だ」
いつかの遣り取りとは立場が逆になったな、と恭介はおかしそうに喉の奥で笑う。
絶望的な遣り取りだと、来ヶ谷は立ち尽くす。
道違えた罪人は、神が裁く。
だが、道違えた神を―― 一体誰が…!
「じゃあな。…もう二度と来るなよ?」
軽く片手を挙げて、微笑みすら浮かべて恭介はあっさりとそう言った。まるで、また来いよとでも言う様に。
だが、その言葉は絶対的な拒絶だ。揺るがぬ意思に裏打ちされた笑みと余裕。
自信にあふれたその様は以前と変わらない。変わらないからこそ――絶望的だった。
彼の信念がどれほど強いものか、嫌と言うほど来ヶ谷は知っている。
背を向けた恭介に向かって、だが彼女はそれでも声を張り上げた。
「待て恭介氏っ!…理樹君はもう強い!」
無駄な足掻きだろう。けれど――言わずにはいられない。
「理樹君はもう……一人でも大丈夫だ!」
恭介の足が止まる。やがて振り返ったそこには、――ぞっとする程の冷笑が浮かんでいた。
失意の表情を晒す来ヶ谷に、恭介はまるで馬鹿にでもするかのように言う。
「――何を勘違いしてる?…俺は、理樹が弱いから放さないんじゃない」
理樹の身体を抱きしめて、恭介は挑発するように口角を釣り上げる。
「俺が、こいつと一緒にいたいから放さないんだ」
「恭介氏っ…!」
「邪魔をしないで貰おうか」
眇めた赤瞳が、冷たく、同時に熱を孕む。
絶対的な意思を以て神の如く傲岸に、男は声高に告げた。
「――お前は、お前の世界に還れ」
同時に、白い闇が、世界を覆った。
*
来ヶ谷は、ゆっくりと目を開く。そして、ベットの脇に伏していた上体を起こした。
ベットの反対側には、鈴と小毬がまだうつ伏せに眠っている。
自分と違って、深くあの世界に入り込んだ様だから、意識が戻るのに時間がかかっているのだろう。
来ヶ谷は静かに辺りを見回した。
白い壁。白いカーテン。白いベット。
「…やはり、駄目だったか…」
呟いて、虚ろに力無く笑う。
真っ白い病室で、彼女はベットの上の人物へと目を移す。
ぶら下がる点滴と口元を覆う呼吸器。
そこに、棗恭介が眠っていた。
やつれた顔を見下ろしながら、彼女は顔を歪める。
「なぁ、恭介氏。…独りの黄泉路は寂しいと…理樹君は、そんな事は言わなかっただろう…?」
事故のあった日。
バスの全員を助けだし、恭介を庇って――独り犠牲になったのは理樹だった。
けれど、その日から恭介も目覚めない。
理樹を独り置いていはいけないと、まるで今でも足掻いているように。
実際、きっと彼は足掻いているのだろう。
あの壊れかけた世界で、――奇跡が起こる日を待っているのだろうか。
「諦めの悪い男だな、君も…」
もう、時間は流れてしまったというのに。
もう、戻る事は出来ないというのに。
彼の望む奇跡は起こらない。その奇跡は、最早過ぎ去ってしまった過去の事象であり、――失われたものは、もう二度と戻らないのだ。
灰が、血肉のある肉体に戻る事はない。
そんな事は、きっと恭介も知っているだろう。分かっていても、それでも尚――足掻くのか。
理樹を強くした事を、恭介は悔いているのかもしれない。きっと真実を知れば、独りでも大丈夫だよと、そう言えるほどに強くなってしまった理樹を、けれど彼は守りたいのだろう。
あの世界で全てを忘れさせ、死者である事を気付かせぬようにあらゆる記憶を奪い、脆弱な雛鳥へ戻し。
何も考えられなくして―――。
そうして――。
二人だけの永遠を望むのか。
「そんな事が、君の望みか…?」
それは間違っている。
決して理樹の望みではない。彼は強くなった。ならば恭介の望みか。彼だけの独り善がりな欲望か。
…多分、それも違う。
あの二人だからこそ、永遠を望む。互いが互いに想い合って、だから――二人で永遠を望むのだ。
道徳も理念も倫理もなく、何もかも踏み躙ってでも彼らは望むだろう。
「…君は、君達は間違っている」
そう呟いて――けれど。
その何もかも捨ててすら望む永遠というものを、彼女はよく知っていた。
かつて、彼女自身も望んだもの。
罪深く深淵なる心の闇。
ならば、と思う。
二人だけの永遠を望むなら、きっとこの世界は邪魔だろう。
「私は、…また間違えているだろうか、恭介氏」
柔らかく、そして哀しく微笑みながら、来ヶ谷は呼吸器へとそっと手を伸ばす。
無理矢理呼吸させているそれを取れば――最早自力で呼吸する事も出来ない彼は、やがて静かに、その鼓動すら止めるだろう。
きっとこれは間違った行いだ。
それでも―――。
「これが――君の望みだろう…?」
道違えた罪人は、神が裁く。
ならば――。
道違えた神は、――罪深き人が。
あとがき
20000hit記念リクありがとうございました!恭介×理樹のBADENDネタという事で、ストックしてたネタを引張りだしてきました(笑)
未だストックの尽きないBADネタですが(いくつあるんだ…)来ヶ谷が出張ってしまいました…。これは恭介をかばった理樹が、例えば独り死んでしまった場合、です
。
黒恭介と取るか白恭介と取るかは人それぞれという事で…。とっても丸投げな一品(爆)だったり…。
久々三人称でちょっとウザく長くなってしまいましたが、楽しんでいただけたらっ…!ありがとうございました!