君と僕の軌跡・蜜月編2

「うわ、何このダンボール…」
 俺の部屋に遊びに来た理樹は、部屋に入るなり開口一番そう言った。
 現在、ダンボールの数は20箱ほど。中身は俺の――ではなく、ルームメイトの物だ。
 ルームメイトだった、と言った方が正しいか。
「引っ越すんだとさ」
「誰が?」
「俺のルームメイト」
「何で?」
 頭にクエスチョンマークを飛ばす理樹に、俺は親指で備え付けの押入れを指し示す。
「この前整理しようとしたら、六尺玉が四つほど出てきてな。それ見たら、急に引っ越すとか言い始めたんだよ」
「うわぁ……何か凄い納得した…」
「まぁな。ぶっちゃけ俺も引っ越したいとかちょっとだけ思ったからな」
「いやいやいや!だったらどうにかしようよ!?」
「けど、この位スリルがあった方が、人生楽しいだろ」
「……それ、恭介だけだからね…?」
 呆れたように言って、理樹はダンボールの間を歩いて来る。
「あ、じゃあもしかして、恭介一人部屋になるんだ?」
「ああ。そうなるな」
「んーでも一人部屋かぁ…」
「どうした?」
 理樹は、少し心配そうに俺を見る。
「急に一人って、淋しくない?」
 真顔でそんな事を聞いてくる。全く…こいつは…。
「そうだな。――いつも一人は淋しいかもな?」
 言って、俺は理樹の髪の手を伸ばす。柔らかくて艶やかなそれに指を絡めながら、目の前の赤くなっていく顔を覗き込んだ。
「だから……泊まりに来てくれるだろ?理樹」
 そのままキスをすると、理樹は一気に真っ赤になった。


          *


 一緒に課題をやる――そんな名目で、理樹は一人部屋になった俺を訪ねてきた。
 最初は緊張していたのか硬い表情だった理樹も、課題を始め、時折馬鹿話をしている内に、笑みを零すようになった。
「――だからさ、すっげぇ面白いんだって」
「あははっ…ね、それ今度貸してよ」
「おう、いいぜ。全巻一気に貸してやるよ」
 漫画を貸す約束をして、そこでふと時計を見る。もう十時を回った所だった。
「っと、もうこんな時間か。…理樹、風呂は?」
「先に入ってきたよ。恭介は?」
「俺も済ませといた。何だ、一緒に行けば良かったな」
「え…」
 理樹はきょとんと俺を見て、それから少し顔を赤くして頷いた。
「そ、だね。じゃあ今度…」
 曖昧に笑いながら、ノートを片付け始める。急に動きのぎこちなくなった理樹は、何度もシャープや消しゴムを取り落としては慌てた。
 俺とは目を合わせず、漸く片した勉強道具一式を胸にする。
「じゃあ、もう行くね?」
 立ち上がろうとした理樹の、細い手首を掴む。
 理樹が息を呑み、抱えていた筆記用具がその腕から滑り落ちて、床に散らばった。
「恭介…?」
「――泊まっていかないのか?」
「えっと……でも、真人に何も言ってきてないし…」
「あいつなら気にしないだろ」
「寝る服とか…ないし…」
「俺のワイシャツで間に合う」
「っ…で、でも……」
 懸命に断る理由を探す理樹に、俺は苦笑して手を離した。
「悪い。別に無理にとは言わないさ。…お前の気が向いた時でいい」
「っ…」
 途端、理樹は不安そうな顔になる。床に視線を落として逡巡した後、ぽつりと言った。
「心配掛けたくないから、真人に…メール送っとくね…」
「…無理しなくていいぞ」
「無理なんてしてないよっ…」
 嘘だな。明らかに無理してるだろ、お前。
「怖いんだろ?正直に言え」
「――…」
 黙りこくった理樹の額を、俺は指で軽く小突いてやった。
「そんな顔すんな。…大丈夫だ、何もしないから安心しろ」
「え…?」
「一緒に寝るだけだ。それならいいだろ?」
「う、うん…」
 あからさまに、理樹の身体から緊張が抜けていく。
 ホント、困った奴だな。お前は…。
 
 
 ベットの中で、理樹の身体を抱き締める。
 本当に、だた抱き合って、お互いの体温を感じながらまどろむ。
 高揚する気分と、温かい安心感。相反するような、それでいて奇妙に両立する感情が胸に満ちる。
 指を絡めたり、話をしたり。
 柔らかく優しい――幸福な時間。
 俺達はただ本当にそれだけの夜を、何度か過ごし――。
 そして、理樹が俺を受け入れたのは、11月も半ばの、寒い夜だった…。


          *


 その日の夜も、いつもと同じように二人でまどろんでいた。
 泊まる時、大抵理樹は俺のワイシャツを寝巻き代わりにしていて、今夜もそれを着ている。
 後ろから理樹を抱き締めて、腕の中に納まるその小さな身体が愛しくて、髪の中に顔を埋める。
 向こうを向いていた理樹は、擽ったそうに首を竦めた。
 理樹の耳が目の前で揺れて――ふと悪戯を思いついた気分で、俺は耳の後ろにキスをする。
 途端に理樹が肩を跳ね上げる。
「きょ、恭介っ…?」
「ん?」
「えっと…今、何か…」
「キス位いいだろ」
「――。う、うん…」
 理樹が小さく頷くのを確認して、俺は再度耳裏にキスをした。
 そのままこめかみへ唇を移動させていく。顔の輪郭を辿って――小さな唇に…。
「んっ…」
 怯えさせないように、ゆっくり口付けを深くしていく。
 そっと肩を掴んで、理樹の身体をベットの上に押し付ける。
 俺は、理樹の上に覆いかぶさるように体勢を変えて、甘い唇を貪った。
「…んっ…ぁ、は……きょうすけっ…っ」
 吐息の合間に、甘い喘ぎ声が理樹の口から零れる。
 チクショウ…マジで可愛い…。
 頬と瞼にも口付ける。
「――理樹」
 耳朶を柔らかく噛むと、びくりと腕の中の身体が身動いだ。
「恭介…」
「――嫌か…?」
 俺の言葉に、理樹からの応えはない。辛抱強く待つ。
 嫌なら、何もしない――そう自分に言い聞かせて、残った理性で感情を落ち着かせる。
 その俺の耳元で、理樹が小さく聞いてくる。
「あの、さ…恭介は、その……したい、の…?」
 ……人が理性を総動員してるってのに、暢気なもんだな、お前。マジで襲うぞ…?
 俺は半分自棄になった気分で、それを肯定してやった。
「ああ。…そりゃしたいさ」
「今って、我慢してる…?」
「ああ。すっげぇ我慢してる」
 ほら、これで満足か。これ以上おかしな事言うなよ?マジで抑えが利かなくなるからな――。
「あのね…僕……恭介なら、いいよ…」
「っ…」
 馬鹿か――、お前…。そんな事口にして――どうなるか分かってるのか…?
 だが、俺の心中など無視するように、理樹は無防備に目を閉じた。
 赤く濡れた唇と、震える長い睫毛が俺の目の前に差し出される。
 それは、眩暈がするほど扇情的で――。
 俺は、食らい付くように理樹の唇を奪っていた。
「んんっ…ん…!」
「――。理樹…」
 何度も角度を変えて口付けながら、理樹のワイシャツのボタンを、上から順に外す。
 白い肌が顕わになっていく。上半身を抱き上げて、シャツから腕を抜いてやる。浮き出た鎖骨にキスを落とすと、慄くように薄い胸が上下した。
「……ぁ…」
「――今なら、止めてやれる。…嫌ならそう言え」
 俺の最後通告に、理樹は、ゆるく首を振った。
「嫌じゃ…ないよ…」
「――なら、もう止めないぜ?」
「…うん…」
 目尻を赤く染めて頷く理樹に、理性は脆く崩れ去る。
 俺は、滑らかな肌の上に指を走らせた。胸の中心に唇を押付け、時折吸い付きながら、甘い肌を愛撫する。
 赤くとがった胸の尖端へと、唇を寄せていく。
「…んっ…ぁ…」
 口に含んだ途端、理樹が喘ぐ。確かめるように、舌で舐めあげてみる。
「っ…ぁ、う…」
「ここ、感じるか?」
「…ふ、ぅ…」
 理樹は唇を噛んで瞼を伏せる。その表情に、ザワリと情欲が煽られる。
 もっと喘がせてみたいと思った。
 欲望のままに、目の前の小さな赤い突起に、再度吸い付く。もう片方を、親指で押し潰すように刺激する。
「っ…あ、っぁ…!」
 短く嬌声が上がって、理樹は忽ち頬を紅潮させる。恥ずかしそうに眉を寄せて、口元に手の甲を当てた。
 お前、それは反則だろ…。ヤバイ…滅茶苦茶可愛い。
「理樹――」
 手の平で脇腹を撫でて、下肢へ下げていく。下着に指を掛けると、理樹は一瞬息を呑んだが、抵抗せず俺の成すがままに任せた。
 脱がして、無防備になったそこへ手を伸ばす。
 だが触れる前に、腕を押さえられる。
「…どうした?」
「きょ、恭介は…脱がないの…?」
「――ああ、そうか」
 自分だけ全裸でいる事が恥ずかしいのか、縋るように俺を見上げてくる理樹に、思わず苦笑をもらす。
「大丈夫だ。…俺も脱ぐさ」
 そっとキスをしてから、俺は自分の服を落としていく。
「ほら、これでいいか?」
「…っ…」
 脱いだら脱いだで、やっぱり理樹は真っ赤になった。
 ほんと可愛いな、お前…。
 俺は、今度こそ理樹の下肢に手を伸ばす。
「っん……」
 触れると、そこは既に熱を持っていた。軽く握って上下に擦ると、それだけで理樹は甘い声を上げる。
「あっ…ん、きょうすけっ…」
「…感じやすいな」
「ち、が…」
「可愛い…理樹」
 嬌声も吐息も奪うように唇を重ねながら、理樹の中心を愛撫する。
 ゆるく起ち上がってくるそれを扱いて、先端を撫で擦る。
「はっ…ぅ、ん」
「気持ち良さそうだな…」
 頬を染めながら眉を顰め、快感に耐える理樹の顔を覗き込む。
 俺の視線から逃れるように、理樹が横を向く。目の前に晒された耳に、俺は取り合えずキスをした。
 そのまま耳たぶを舌で舐る。
「っ…きょう、すけっ…」
「お前の…もうトロトロになってきたぜ…?」
「っぁ――ん!」
 先走りの滲み始めた先端を指で抉ってやると、理樹は泣きそうな声を上げた。
 恥じらいながら快楽に堕ちるその表情に、嗜虐芯が焚きつけられる。
「理樹…お前、煽ってるのか…?」
「な、に言っ…!」
「そんな顔されたら……泣かせて喘がせて――滅茶苦茶にしたくなるだろ…」
「っ…」
 ひゅっと理樹の喉が鳴る。その首筋に吸い付いてから、俺は、理樹の口元に手を伸ばした。
 指で唇の上を辿り、歯列を開かせて中へ。
「ん…む…」
 口内に差し込んだ人差し指と中指で、理樹の舌を弄ぶ。逃げ惑う小さな舌を擽って、口内を蹂躙する。
 十分濡れた所で、指を引き抜く。
「は、っぁ…なに…?」
「初めてだから、どうしても痛いだろうけどな…少しでも、解すから」
 戸惑う理樹の膝を立てて、足を左右に開かせる。
 その体勢に、さっと理樹の顔が羞恥に赤く染まる。
「恭介っ…」
「悪いが……もう止めないって言ったはずだ」
 開いた足の間に身体を割り込ませて、唾液に塗れた指を、理樹の後ろに持っていく。
 襞に触れた途端、理樹は瞠目した。
「きょうっ…!」
「入れるぞ」
 濡れた指を押し当て、ゆっくりと、少しづつ侵入させていく。
 理樹が息を詰める。
「痛いか…?」
「へ、いきっ…」
 理樹はそう答える。平気じゃないのは分かっていたが、俺はその言葉を免罪符に、指を挿入した。
 狭い入り口を解すように、何度か抜き差しを繰り返す。
 理樹は、唇を噛んで耐える。
「ん……ふ、くっ…」
「少し柔らかくなってきたな…。指、増やすぞ」
「はっ、う…!」
 二本を秘所に捻り入れる。
 流石にきつかったのか、理樹の顔に苦痛の色が浮かぶ。
 これから、もっと酷い事をしようとしている自分自身を知りながら、少しでも和らげてやりたくて、理樹に口付ける。
「んっ…んん…」
「――大丈夫か」
「ぅ、ん…だい、じょうぶっ…」
 苦しそうに、理樹は頷いた。たった二本で一杯になった秘所に、何度も指を擦り付けて、少しづつ開かせていく。
 指を蠢かし続け、慣れてきたのか僅かに理樹から苦痛の表情が退いていく。
 あわせるように前も扱いてやれば、吐息に甘い声が混じった。
 足を開いて秘所に俺の指を受け入れ、先走りを滲ませて喘ぐ理樹の姿に、――衝動が一気にせりあがる。
 ヤバイ…。こっちもそろそろ……我慢の限界だ。
 ともすれば暴走しそうな己の獣欲を、どうにか抑えつけながら、俺は理樹の耳に唇を寄せた。
「理樹――もう、いいか…?」
「え…?」
「悪い。限界だ…」
 告げて、理樹の了承は聞かずに、俺は指を引き抜いた。
 片足を掴んで持ち上げ、膝が胸に付くほど折り曲げる。曝け出された秘所に、俺は自分のものを宛がった。
 理樹が、怯えたように俺を見る。
 悪いな、理樹。…止めてやれない。
「力、抜いてろよ…?」
 囁いて、俺はゆっくりと腰を押付けた。
 理樹の中に――入っていく。
「っ――っ…い、たっ…ぁっ…!」
「り、き…」
 きつくて、熱い――。
 足掻いて逃げようとする身体を引き寄せて、楔を打ち込んでいく。
 狭い入り口を無理に押し広げ、理樹の呻き声を聞きながら、俺は内部へ侵入する。
「っ…っっ…あ、ぅっ…!」
 俺の下で理樹が苦しげに呼吸する。その目尻に涙が浮かぶ。
「きょ、…すけ…っ…ぃ、たいっ…!」
「もう少し――我慢、してくれ…」
「い、やっ…むり……っ!」
「…理樹っ…」
 ベットが軋む。宥めるように、理樹の目尻に唇を寄せながら、その身体を――半ば無理矢理、最後まで貫いた。
「――っ!」
 理樹が声にならない悲鳴を上げる。俺は、切れそうに噛み締められた理樹の唇を、舌で舐めた。
「大丈夫か…?」
「…ぅ……ん、く」
 苦しげな理樹の顔を見ながら、深く息を吐いた。媚肉に痛い程締め付けられて、奥歯を噛み締める。
「――すまん、理樹…。すげぇ、イイ…」
「っ…」
 理樹は息を詰めて――それから、震えながら目を瞑った。そこから一粒涙が零れ落ちる。
「恭、介…」
「…辛いか…?」
「だい、じょうぶ…いい、よ…きょうすけの…っ…好きに、して…」
 苦しげな息の下告げる理樹に、どうしようもない程愛しさが募る。同時に――煽られる。
 頭を擡げる凶暴な欲を、だが俺は無理矢理抑え込む。
「駄目だろ、理樹」
「っ…なに、が…?」
「――あんまり煽るな、頼むから。…手加減出来なくなる…」
 優しくしてやりたいのに、その余裕がない。
 俺の方も一杯一杯だ。苦笑して言ってやると、理樹は辛そうにしながら、淡く微笑んだ。
「…いいよ…っ、恭介に…気持ちよく、なって……ほし、から…」
「―――っ」
 我慢、出来ない。
 せりあがって来た欲望に追い立てられて、腰を揺する。
「理樹っ…」
「んっ…く、ぅあっ…!」
「っ――…マジで、いい…」
 チクショウ…持っていかれそうだ。
 本能のままに理樹の内部を犯す。きつい媚肉から、肉棒を引きずり出して、打ち込む。
 理樹の顔が苦痛に歪んだ。あやすようにキスをしながら、理樹の前に手を伸ばす。痛みで萎えたものを握り締め、擦ってやった。
「ん、ぁっ…」
 苦痛の声に、甘さが滲む。その反応を確かめながら、深く息を吐いて、暴走しかけた己を戒める。
「理樹…大丈夫か…?」
「っ…ん…へいきっ……」
 息も絶え絶えに、それでも理樹は苦しそうだった。
 今度は慎重に、探るように内部を穿つ。何度かゆっくりと腰を打ち付けて――。
「っ…は、ぁっ……!?」
 不意に、理樹が目を見開いてビクリと震えた。
 俺は、たった今突いた箇所を、もう一度確認するように突く。
「あっ…ん…」
 今度ははっきりと甘い声が、理樹の口から上がる。
 ここ、か…。
 理樹は困惑したように俺を見上げた。
「な、に…?」
「ココ――感じるだろ」
「っ…んっ…ぁ…」
 喘いで、理樹は泣きそうな顔で首を振る。
「やっ……なんでっ…痛い、の、にっ……あっぅ…」
「気持ちいいか…?」
「やめっ……んっあぁ」
 理樹の表情が、痛みと快楽に染まっていく。
 耐えるように唇を噛み締める仕草にどうしようもなく煽られて、俺の方も余裕はない。、
「理樹っ…」
「やっ…お願っ…やめっ、……!」
 ギシギシとベットが悲鳴を上げる。スプリングの軋みに、肉のぶつかる音と、濡れた音が混ざる。
 絡み付いてくる熱い媚肉から引き剥がすように、挿入を繰り返す。
 前を扱いてやりながら、細い腰を抱えあげて深くまで犯した。
 のたうつ小さな身体に口付ける。唇も、頬も、瞼も、耳も、首筋も、鎖骨も。噛み付くように――。
「んっ…ぁ…や、っ…!」
「可愛い、理樹…」
「んんっ…っ、は、ふ…っ」
 浅く、速くなっていく理樹の呼吸に思わず目を細める。
「――イキそうか?」
「あ、ぅ…そん、な…!」
「もう少し、我慢できるか…理樹」
「んっあ、ぁ!」
 責め立てる手は緩めないまま、耳元に囁く。理樹は涙を滲ませながら、首を横に振った。
「はっ…も、む、り…!」
「もう少しだ」
「やっ…だ、め…!」
 きつく目を瞑って、理樹は身体を強張らせる。
「んんっ…きょうす、けっ……ぁっア―――!」
「くっ…」
 ただでさえきつい媚肉に更にきつく締められて、思わず呻く。だが、どうにか耐える。
 俺の手の中で、理樹の先端から白濁液が吐き出された。
「は…ぁ……」
 とろんと放心したような瞳が、ひどく扇情的だった。
 吐精の余韻に浸る理樹の身体を、俺は再度突き上げる。
「んんっぁ……や、ぅ…」
 びくびくと理樹が震える。
 チクショウ、マジで可愛い……!
 甘い吐息を奪うように唇を合わせて、俺は乱暴に理樹の身体を揺さぶる。
 熱くきつい内壁に思う様肉棒を突き刺す。
「はっぅ、ん……ぁっ!」
「理樹っ…好き、だ…」
 耳元で囁いて、細く華奢な身体を抱き締める。
 深くまで楔を穿ち、無垢な理樹の内部を犯して、―――俺は、その最奥で欲望を放った。
「っ――…」
 奥歯を噛み締めて、理樹の中を――俺で汚す。
 熱を吐き出し、全てを注ぎ込むように腰を揺すった。
 お互いの荒い呼吸を聞きながら、俺は理樹の顔を覗き込む。
 汗で張り付いた前髪を掻きあげてやって、額にキスをする。それから、目尻にも。
「大丈夫か…理樹」
「ん…平気」
 答えて、理樹は泣きそうな顔で笑った。
「ね、…恭介」
「どうした?」
「…大好きだよ…」
「――。ああ…俺もだ」
 堪らなく愛しい存在を掻き抱いて―――。俺は理樹に、そっと告げた。

 ――愛してる、と。

 
 
 
 
 

あとがき
 本番だぁぁ恭介ぇぇぇぇーーーー!!…えー…ひ、引いた方すいませっ…!
 つまりあれか、光源氏か恭介…。小さい時から自分好みに育てて、摘み取るのも自分と。
 しかし恭介視点だと…エロ長いなっ…!?いやまぁ、初めてだし…と思って…力一杯書いてしまいました…。力尽きた…(アホかっ)
 最後まで書くと疲れるな…つーか何日間かけて書いてるかな、エロ…実は苦手なんじゃね?と思ったり。
 あとは、ゆるく甘いのを更新していこうかな〜。お仕事もそろそろ土日出勤が当たり前になってきて書く時間がねっ…!(泣)
 そういや恭介視点のエロと、理樹視点のエロって、どっちが需要あるんでしょうね…??

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